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2年前にガイドしたNew York Times記者のChristineから、その友人のDana(43)のガイドを個人的に依頼したい旨のメイルを受けたのが前日の12/11の午後。2人は京都市観光局に招かれてホテルに一緒に滞在中で、Christineは急用ですぐに帰国するが、Danaは日本が初めてで、翌12/12に羽田に飛ぶので数時間東京を見たいと言う。急な話だったが、Christineは個性的な人でその友人というので会ってみたいと思って、たまたま空いていたので受けることになった。Danaはサンフランシスコのテレビの旅行専門のコメンテーターということでこれは手ごわいガイドだと少し緊張。

 飛行機は予定通り1435pmに羽田国内線ターミナルに到着。荷物を預けた客と預けない客の出口が違っていて、かなり離れているので一応「預けた客」の出口で待っていたが出てこない。急いで逆の口に移動すると途中でそれらしい人と鉢合わせになった。すぐにChristineからのおみやげということで、彼女が京都で実習に参加して実際に作ったという和菓子の入った箱をいただく。Dana8時間後の1100pm発乗り継ぎ便でサンフランシスコに戻る途中のStopoverだという。だが、「夜遅くまで拘束するつもりはないから...」としきりに遠慮。そうこうしているうちにもう3時近い。430には日没なので、明るいのもあと1時間半の東京案内。とりあえず、「東京駅--皇居--銀座--浅草と東京のfacade and back doorを案内することでどうか?」と提案。初めての東京ということで、周りの見えるモノレールで浜松町へ。東京駅の丸の内南口のドームを見せて外へ。「確かにアムステルダム駅に似ている」と旅行のプロのDana。ビズネス街を見ながら皇居前へ。金曜なので東御苑はダメなことは知らせておいたが、櫓と堀と松に囲まれた広々とした別世界を俯瞰してもらう。地下鉄で大手町から銀座に出てネオンとクリスマスの電飾が輝く通りを歩く。あまり自信はないが、「銀座4丁目はNew York5th and 42ndかな?」と案内。あえて「日本のクリスマスはケーキを食べる普通の勤労日で、1週間遅れた正月が(日本の)クリスマス(?)」であることを確認。かつて米占領軍の施設が置かれていたライオン・ビアホールに案内し、アールデコ風の装飾やモザイクを見せてもらう。

 そのまま銀座線で浅草へ。「雷門の赤が京都伏見稲荷の赤と違うのはなぜ?」と聞かれても、答えられない。彼女はカメラマンでもあり、買い物よりカメラ。Beautiful !を連発しながら同時にシャッターをどんどん切る。スカイツリーや五重塔の電飾も暗い背景の中で輝き、きれい。裏通りにも回り、浅草の歴史を話しながら、銀座との違いを見てもらう。少しお腹もすいたというこごで、六区付近の道端の居酒屋に入る。Danaはレモン・サワー、私はリンゴ・サワーで乾杯。ヤキトリ、焼肉、煮込みなどで2時間以上も談笑。テレビでしゃべっている人だけあって早口で言われても実にはっきり分かりやすく、きちんとした英語で、老人耳でも聞き返すことがほとんどなく、聞いていて聞き惚れてしまう。

 Danaは南カリフォルニア大学を優等(cum laude)で出たジャーナリスト。夫は保険会社勤務で16才と14才の娘とサンフランシスコに住んで20年にもなるそうだ。NBC系のサンフランシスコのUHFテレビ局KRON4で長年ニュース番組の制作プロデューサーを経験後、子供を連れて世界中を旅行してきて、今では同じテレビ局でトラベル・コメンテーターとして定期的に番組に出演しているとのこと。自分でもWebサイトを作っていて、常に更新し、旅行関係の書物も出版。家族旅行の仕方を指南する彼女のブログCiao Bambinoは賞を受けたこともあるという。その他ネットの旅行関係のサイトViator77SFの定期的な投稿者でもあるという活躍ぶり。ちなみに77(seven by seven)はサンフランシスコの中心部が7マイル四方で、特別区になっていて同時にCountyにもなっていることの呼称だそうだ。

 今回は京都の取材で来日。4日かけて市バスで京都を歩き回ったという。もともとランニングの選手で、走ることも趣味。伏見の酒、高台寺、円通寺、三千院、嵯峨野の竹林などが気にいり、舞子とのインタビューもしてきたそうだ。丁度サンフランシスコが暴風雨で洪水にやられて、家族に連絡を取り心配しながらの取材旅行。子供の学校は休校になり、子供は喜んでいるそうだが...

 子供連れの家族旅行を推奨する一方で、「かわいい子には旅を...」には全く賛成。長女を単独でタイのチェンマイに行かせた話をする。学校の教室の床に寝させられて不満だった彼女が、現地の人がもっとひどい場所に寝ているのを見て、自分のわがままを反省し、成長したという。私も50年前にバスだけで3099ドルのアメリカ往復横断をした貧乏旅の話や今まで会った変わった外人のエピソード、それに実際経験する日米の習慣の違いなどを話すうちにいつの間にか8時を回っていた。9時までに羽田に戻らねばならないので、急いで品川に戻り、京急の改札で戻り方を確認して別れた。

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Roger(52)は一般家屋やビルの新築の際の配線などを請け負う電気技師。Silvy(49)はインド南部で生まれ、Alabama大学に留学し、卒業後東芝TECのプログラマーをしている。先月案内した人の職場の同僚。Rogerがアラバマ大学(The University of Alabama)の大学院2年次にSilvyが大学院の同じ物理学専攻に入学してきて出会った。娘のKarina(10)はよく躾けられていて、おとなしいく読書好きでハリー・ポッターのシリーズは全部読んでしまったという。

 1日目12/16()、約束の1030にホテルロビーで会う。今日は1日中雨で寒いとの予報だったので、出来るだけ屋内の見学にしようと提案。しかし博物館・美術館は消極的。とにかくまず歩いて5分の東京タワーへ。150mの第1展望台へ上がる。小雨の冬ということもあり、スカイツリーと違って客がまばらで待ち時間もゼロだし、展望台の上もガラガラでほとんど我々だけで占有している感じ。更に上に上がって250mの第2展望台へ。エレベータも外が見えるので上がっていく実感がある。高度が低いせいか、スカイツリーと違って雨でも遠くまで見える。その他かなり大きな神殿が目立つのも違う。クリスマスの飾り付けの中で写真を撮る。

 近くの大江戸線・赤羽橋から青山一丁目経由で銀座へ向かう。大人用のパスモはすぐ買えるが、パスポートが必要なKarinaの子供用パスモは買えない。銀座で降りるがデパ地下はあまり興味はなさそう。ドル札を円に換えたいというのでCitiBankに行くが取扱なし(カードならOK)。すぐ前の三井住友銀行には両替所があり少し待たされてやっと円が手に入る。

 非常に寒がっているKarinaに、たまたまあったホカロンを持たせると大喜び。Karinaのことも考えて、そのまま銀座8丁目、TOY PARK博品堂へ。最上階に上がり降りながら全店を見る。アニメは好きでないKarinahaは小さな人形や折り紙を買って満足そう。ホテルの朝食は高いので、今朝食べすぎるくらい食べ溜めたというので、なかなかお腹がすかない様子。それでも2時過ぎになってスターバックスを見つけるとサンドイッチか何か食べて行こうと言う。サンドイッチを食べながら朝食の安い食べ方のヒントを言う。

 新橋からJRで秋葉原へ。Karinaの電子機器の教育キットを探すというので、ヨドバシアキバの6階に行く。RogerSilvyも物理専攻だけに、自分が子供のころ作った模型などを思い出しながら物色。3階の外人用コーナーや自動掃除機、それにウォッシュレットなど新しい機器も点検。外に出ると暗くなりかかった上に寒い雨。仕方なく東京駅の地下街を見ることにする。東京駅の地下街の真ん中の地図があるところで周辺を説明し、巨大な電飾のクリスマスツリーの前で記念撮影をしたあとで、ホテルへの帰り方を細かく言って別れた。

2日目12/17() 今日はやっと快晴。だが風は強く冷たい。ホテルのシャトルバスで浜松町駅へ。今日はKarinaのパスポートを持って来てもらったので、地下鉄大門駅でまず「子供用パスモ」を買う。自販機で買えるが、途中でボタンを押すと係員が出てきてパスポートの生年月日を点検する仕組み。係員のすばやい親切な対応に両親は感心。

 まず彼らの要望で等々力渓谷へ。浜松町から大井町経由、東急大井町線で等々力へ。郊外電車はガラガラで皆くつろぐ。駅を降りると目の前のダンゴ屋で餅つきをやっている。正月の様子を伝えるには都合がいい。そのまま渓谷入口から渓谷へ降りる。水は少し濁っているが、都会の真ん中とは思えない木々に囲まれた「渓谷」にKarinaもはしゃぐ。まだ紅葉が残っていて、赤いモミジや黄色、橙色の葉が黒い木々の間に広がり、皆喜ぶ。古代人の墓になっていた横穴、「トドロキ」とは名ばかりの糸のように細い滝、弘法大師の幼児期の像という「雅児大姉」のオカッパ像など終点の不動尊まで1kmの渓谷を歩く。不動尊にはソフトクリームを売る場所があり、Karinaはせがんで買ってもらう。店を守る老婆が懸命に「かわいいね」とKarinaに話しかける。丘の上にある日本庭園に登る。茶室のような小屋があり、日光浴をしながら休憩。アメリカでは山登りが趣味というRogerは体力をもてあまし、広い芝生のそこらじゅうを駆け回る。帰りの渓谷道もRogerはあっという間に駆け抜け、女性2人はずっと離れて後を追う。私は真ん中でお互いがはぐれないように気を付ける。

 新橋に戻りユリカモメでお台場へ。電車に興味のあるRogerは先頭車両の先頭席でビデオを回す。海浜公園の人工の浜辺は快晴だが、冷たい強風で砂が巻き上がる。それでも何とか風の弱い時を見計らって写真をとりながら、「自由の女神」からアクアシティへ行きランチ。Rogerは日本料理が良いと言っていたが、回っているうちにSilvyが推薦するインドネシア料理店「スラバヤ」へ。ココナツミルクとスパイスの効いた料理を取る。Rogerも気に入った様子で「意外にうまい」と喜ぶ。満腹で、History Garageへ行き、デロリアンなどのクラシック・カーを見て、クリスマスできれいな電飾のVenus Fortへ。室内の青天井は今ではアメリカのあちこちにあると言う。

 トヨタのMegaWebへ。話題のFCV(燃料電池車)Rogerは興味津々。ふと脇を見るとAlabamaと書かれたナンバープレートの車がある。RogerSilvy馴れそめの場所...というわけで2人は興奮。早速記念撮影。Karina3面ディスプレーの運転シミュレーターでハンドルを握る。子供も大人も楽しめて調子がいい。

 ホテルに近い浜松町に戻り、食事の誘いは断ったが、「是非ビールを一杯だけ」と言われて、近くの居酒屋へ入る。「お通し」が出され、断ると「それでは他の店へどうぞ」と言われて、Rogerも「いいよ」というので居座る。「でも念願の『日本料理』が食べられる」と珍しそうにお通しをつまむ。たまたまそこにはインド料理のナンなどもあり、Silvyはワインを取って、Karinaとインド料理をつまむ。彼らだけで行動することになるあと2日間のためにアドバイスを与えてメモを渡し、シャトルバスの乗り場で別れを惜しんだ。

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