今回は7/15に成田着で、7/16には自分たちでスカイツリーなどを見学後、7/17-7/26まで「ダイアモンド・プリンセスクルーズ」という船旅に参加、横浜-金沢-舞鶴-境港-釜山-長崎-横浜と10日間で回って7/26朝6:30に横浜港へ帰着する予定で、その晩泊るセレスティンホテルで正午に落ち合い半日のガイドを予定していた。ところが、当日の朝になって「濃霧で船が入港出来ず、東京湾の外側で待機中」とのメイルが8:30ころ舞い込む。彼も日本のプリペイド携帯をもっていたので、電話連絡もして、取りあえず状態が変化したらしらせるということで、こちらも待機。9:30を過ぎたころ「船が動き出した」という連絡で、私も予定通り出かけることにする。 一応定刻にホテルに着き、電話をするが、まだ横浜付近だとのこと。やっと1時半すぎにそれらしい4人連れがタクシーで到着。一休みしてもらって、ホテルを出たのは2時過ぎ。今回は奥さんのLiudmila(42)、長男のKinl(15)と二男のYan(9)を連れての家族旅行。ロボットのAsimoを子供に見せたいというのが父親の強い気持ちだったので、お台場の「未来館」へ向かう。しかし田町へ歩き、新橋からユリカモメへ乗ると、はしゃぎだしたのは父親。「運送業」だけに完全自動運転の交通機関には興味津々。一人で先頭車両に陣取り、ビデオやiPadを動かし続ける。名残惜しそうに「船の科学館」で下車、「未来館」へ歩く。 歩きながら「ウクライナ」のことを話題にする。依頼のメイルでも、「ロシア人と一緒のツアーには組み込まないでくれ」と書いてきた根っからのウクライナ人。「どうもロシア系の人たちは我々と一緒に住みたがらないようだ」と言う。しかし言葉も同じキリル文字だし、語彙も同じものが多いようだし、国も少し前まではロシアの一部だったのでは...?」とうっかり言うと、「ロシアの一部になったことは今までなく、あれは『ソビエト連邦』の一部だったのだよ」と返され、反省。逆に「日本も隣国の中国や韓国とやや敵対関係にあるので、自衛のために再軍備した方が良いのでは...」と「忠告」されてしまったので、日本の状況も話題にしていて、気が付いたら未来館の前。 土曜日なので18才以下の2人の子供はタダ。3階のロボット展示場へ。ソファのあるコーナーには全く普通の上品な感じの女性が座っている...と思ったら人工筋肉を空気圧で動かす「オトナロイド」と呼ばれるロボット。人の呼びかけに全身の表情を変えながら「応対」するのはとても機械とは思えない。薄気味悪い気さえする。9才のYanが近寄って大声で話しかけるが反応はイマイチ。遠隔操作の「テレノイド」というロボットもあって、例えば夫が単身赴任の場所に「奥さんロボット」を持っていくと、遠くにいる奥さんと同じ反応を遠隔地で同時に示すという。 主目的のAsimoのデモもなかなかの圧巻。私もしばらくぶりに見たが、動きが驚くほどしなやかで滑らかになった。人間と同じ手足の関節や腰もスムーズに動かして自然に歩行出来るだけでなく、走ったり、片足ケンケンもする。逆走などは人間よりずっと安定感もあり、よっぽどうまい。人の心を落ち着かせるという「セラピー・ロボット」の犬をYanがからかう。 コンピュータの2進法を白黒のボールで表しながら、メッセージがネットワークの中を流れていく様子を理解するための大きな模型がある。数学が得意のKinlが興味深そうにボールを並べて「メイル」を送る。自分でも興味のある父親も懸命になって子供たちに教える。 すでに4時半を回る。皆がお腹を空かせている様子なのでダイバーシティのフードコートに行く。夕方だが夏休みの土曜とあって大混雑。何とかまとまった場所を見つけ、ウドンに天ぷらのトッピングを好みで選んで食べる。ガンダムはみなよく分からない様子。 自由の女神とレインボーブリッジを見て、今度は銀座と浅草へ。父IevgenとYanは銀座のソニービルへ行きたいという。一方奥さんと長男のKinlは浅草を希望。そこで二手に分かれ、銀座は自分で分かるというIevgenに任せて、私は浅草族をガイドすることにする。ところが休日の夕方なのに銀座線がすし詰めの大混雑。うかつなことに今日が「隅田川花火大会」の日であることを忘れていたのだ。とりあえず、2人を連れて何とか浅草に降り立ったが、どこもここも浴衣姿の人ごみで動きが取れない。彼らのおみやげが買いたいという執念で超混雑の仲見世を進む。お目当ての「飼犬用Tシャツ」や「壁掛け」の類を漁る。突然Kinlが「うずらの卵」を見たことがないので見たいと言い出す。Liudmilaがお茶も買いたいというので、松屋の地下へ。うまくウズラに出会い、殻つきとゆで卵の両方を懸命に写真に収め、お茶も手に入ったので、銀座にいるはずのIevgenに電話連絡。ソニービルで落ち合うことにして、地下鉄で戻る。逆方向の電車はガラガラで、リラックス。Kinlと話す。彼の高校では特に英語に力を入れていて、週5時間、毎日授業が組まれているとのこと。ウクライナでも英語が出来ないと就職が大変だという。彼の学校はウクライナ人だけで、ロシア系の生徒は別の学校へ通い一緒の学校にはならないそうだ。彼は数学が得意で将来は物理学を専攻したいとのこと。高1だがこのくらいのコミュニケーションには十分な英語力で、彼の母も英語で行き詰ると息子に聞いている。 あたりはネオンが光る暗闇になったが、難なく全員がソニービルで再会。あとは少し銀ブラをしてタクシーを拾ってホテルへ戻るというので、そこで別れを告げた。
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10/13になって10/15のガイド依頼が入ったので、普通なら断るところだが、多分初めての中米コスタリカからの人だったので、一応会員のみなさんにメイルでおはかりした。しかしやはり応募はなく、私がガイドした。 10/15朝、山手線内回りが上野駅の信号機故障でストップ。高田馬場から地下鉄を乗り継いで品川に出たが、雨の中10分遅刻。ロビーで待っていたSteeve(40)に謝る。しかし別のホテルに宿泊中で観光に同伴したいと言っていた友人がまだ到着しないとのことで、今日の予定を話し合いながら少し待つ。やがて同じコスタリカ人のIvanが現れる。Steeveはコスタリカの首都サンノゼの公認会計士、1人息子がいるが彼は離婚しているので1人旅。Ivanは同じサンノゼの弁護士。2人は普段協働して事業を営んでいる仲間で保険事業などにも一緒に手を広げているそうだ。Ivanは六本木で催される弁護士の世界大会へ参加のため来日。2人は一緒の旅ではなく、全く別の目的だったが旅行数日前に、同じ時期に東京にいくことが分かって、ここで会おうということになったと言う。 とにかく東京は初めてだと言うので、皇居--浅草--銀座と回ることになり雨の中を品川駅へ歩く。まず先日のワールドカップで8強まで進み無敗だったコスタリカを誉めると思わず得意そうな笑顔になる。2人の間の会話はスペイン語。明後日から関西を回るというSteeveには品川駅でJRパスのvoucherをvalidateしてもらい、1週間の滞在なので今日から早速使う。一方Ivanは26日まで会議以外は東京の中を動き回るというので、スイカを勧めチャージの仕方もデモ。そして明日からはそれぞれが単独行動なので、ローマ字表記の地図をもらい、駅での改札の仕組み、車体色による路線の区別、ホームで電車の行き先を知る方法などを伝授。 東京駅から皇居へ雨の中を歩く。お堀の向こうのヤグラに興味。皇居の建物が見えないのを残念がるが日本人も見た人はほとんど居ないことを知ると、「木に囲まれて隠れているのが好きなの?」とジョーク。しかし「天皇が開戦決定にどの程度かかわっていたのか?」と聞く。皇位継承問題なども興味がある様子。共和制のコスタリカでは国防軍を含めて軍隊を一切放棄し、持っていないと言う。「侵略などの国際的トラブルになったらどうするの?」と聞くと国連などの機関に訴えれば良いとのこと。実際平和が保たれているそうだ。そんな話をしながら二重橋から東御苑へ。 雨の日本庭園も他の団体で結構賑わっている。どういうわけか、花も咲いていないのにショウブに関心。稲と間違えたのかな? ツツジはコスタリカにもあるらしい。北桔梗門から竹橋へ。地下鉄の改札でもローマ字路線図をもらって地下鉄の仕組みをつかんでもらう。そのまま日本橋のりかえで浅草へ。 電車移動中は例によって私のiPhoneをWiFiのhot spotにして2人ともメイルのチェック。でもさっと終えて話に戻る。Steeveは明日からの関西旅行のポイントをしきりに聞く。聞けば京都もSGGガイドを頼んだようだが、short noticeだったせいか、まだ返信をもらってないので不安のよう。 浅草では、Steeveは来日記念の置物のようなものを探しているが、好みのものが見つからない。1時過ぎになってランチに回転寿司が良いというので、新仲見世の「まぐろ人」へ。Steeveはお刺身だけが良いと言って、ご飯なしで盛り合わせだけを食べる。Ivanは普通の寿司を5皿くらい平らげる。聞くと週に1回はコスタリカでも刺身を食べているとらしい。サンノゼにも「サムライ」という人気の店があると言う。さっきから隣で様子を伺っていたマンガ雑誌の編集者だという老人が、彼らにさつま揚げを勧める。この店の名物だそうで作るのに時間がかかる。でも彼らも生姜を付けながら試食してまんざらでもなさそう。 外へ出て、フグ料理店の水槽などを見ながら進むが、スカイツリーが見えると行ってみたいと言う。東武電車に乗る。スカイツリー駅で降りると「東京ばなな」の店に吸い込まれるように入る。さすがにバナナの王国から来た人たちだ。興味津々で4本入りを515円で買いエスカレータで登りながら試食。中身は前もって説明してあったのだが、あまり満足感はなさそう。天然の理想的なバナナの味とは違うよ、と弁明。それにしてもバナナに埋まるような環境で暮らす人が東京まで来てなぜ「ばなな」を食べるの? と笑う。スカイツリーは雨で待ち時間なしだったが、展望はゼロと言われて真下から見上げるだけにする。 そのまま浅草から銀座へ。そして三越のデパ地下へ。例によってメロンがなぜあんなに高い? と信じられない様子。先ほどデザートを食べていないこともあって、ババロアに果物が乗ったプリンや小さなチョコレート・クッキーなどを買って、脇の椅子の場所で食べる。Ivanは先月スペインを旅行中に捻挫した足首が少し痛いというので、六本木のホテルへ帰ることになる。日比谷線の改札まで同行して彼と別れ、今度はSteeveだけを案内する。まず銀座通りに出るとアップルストアが目に入り、iPhone6を点検に入ったあと、ソニービルへ。 8階のハイレゾ音源のホールで音を聴き、4階からのショールームを次々に下る。タブレットと普通のPCが両用出来るハイブリッド型のタイプに興味を示す。だがその部門はVAIOという名の別会社に売却されアメリカの投資家の管理下に入ったと聞き、彼も戸惑う。小型カメラや4Kテレビは関心の的。 暗くなりかかった有楽町から新宿へ出て、都庁展望台から夜景を楽しむ。彼は昼の風景より夜景が好きだというのですっかり感動。「もうスカイツリーなどには行かなくていい」と言ってシャッターを押し続ける。 さらに、ガイドブックで見つけてメモしてきたという「ゴールデン街」に行ってみたいとのこと。一応案内することにする。歌舞伎町を通ってその辺りで起こりそうな危険を知らせながら、ゴールデン街を回るが、まだやや早いのか客数はどこも少ない。そこで帰り道のことも考えて駅近の「思い出横丁」に行くことにする。彼は「やきとりでビールでも飲んで帰ろう」としきりに誘うが、家内の体調もあまりよくないので、「家でも夕食を準備しているので...」と断り、新宿駅へのルートとその先の戻り方を確認して、そこで別れを告げる。
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