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アメリカ人女性2人だが、Surya(24)はインド系で、もう1人のBaktygul36)は中央アジアのキルギスタン生まれ。モンゴルに近い国でモンゴル人同様、外見は日本人の様だ。実際彼女が一人で日本を歩くと日本語で話しかけられるという。Suryaがインターネットで募集したルームメイトにBaktygulが応募し、ロスアンジェルス郊外でルームシェアをして暮らしている。

Surya3年前までインド東南部の町Chennaiに居たが、アメリカに移住し、ロスの大学でコンピュータ・サイエンスを学び、東芝TECに就職、今回は世界の東芝系のコンベンションに参加するため仕事で来日。そのため休暇は11/20-234日しかなく、最初の2日は京都ですごし、あとの2日が東京観光となった。

一方、Baktygulは母親が教師でキルギスタンで教育を受けたが、故国では経済活動が低調で働く場がないので、イスタンブールの大学の奨学金をとり大学院で医療技術を学び修士号を得て、移民として3年前にアメリカへ。現在は大手医療機器関係の会社へ勤める。今回はSuryaと一緒に休暇として11/16に来日。Suryaが会議中の11/16-19は一人で都内を歩き回ったという。

当日、2人は京都から東京へ移動。1200にホテルで会うことになっていたが、15分過ぎても現れない。携帯(アメリカ)の電話番号を聞いていたので、Skypeでかけてみようとしていたら、後ろから話しかけられた。まだランチを済ませていないというが、Suryaがベジタリアンなので、ウドンでもどうかと思って、プリンスホテル横の通りのフードコートへ。インド系のSuryaはカレーライスに興味。ベジタリアンでもOKのラタトゥイユ・カレーを取る。インドカレーほど辛くないがうまいとのこと。Baktygul肉魚もOKなので、天ぷらうどん。今日の観光は半日なので、渋谷、原宿、新宿などを回ることにする。

JRパスを持っているというので、山手線でまず渋谷へ。土曜日の昼下がりでもあり、ハチ公前はすごい混雑。それでも遠くから何とか2人と犬を入れて写真を撮る。Hachiの映画をすでに見ていたBaktygulは話をよく分かっている。警官の交通整理はないので、スクランブル交差点の中央で数秒間止まって東京の混雑を体感。四方八方から急いで迫る人波に圧倒される。センター街の両側はほとんど若い女性用品を売る店ばかりなので、日本の「女性天国」を強調。「でも日本は女性管理職が対等に扱われているのか?」と鋭い質問。「スペイン坂」の名前の由来も調べたことはあるが、聞かれてもよく分からない。若い女性たちなので、日本人の結婚平均年齢や国際結婚の割合、日本の国籍を取るには? といった質問も来る。仕事で来たSuryaは「日本人男性はどうしていつもネクタイと背広なの?」とも聞く。

天気も良いし、原宿まで歩くことにする。NHKホールの脇の道ではコスプレをした少女たちが音楽をかけてストリート・パフォーマンス。代々木公園への道沿いにはテントが続き、食品や福祉のマーケット。凹凸を付けた世界の国旗を展示している場所がある。目の見えない人が手で触れてデザインを体感するための工夫だそうだ。デザインの切れ目に違う匂いを振り分けて色分けを感じさせる仕掛けもしてある。代々木公園のテング熱騒動を話しながら進むが、Suryaはインドで悩まされたようで神経質になる。イチョウが太陽に反射してきれい。キルギスタンではイチョウは薬だそうだが、インドから来たSuryaは知らない。

竹下通りへ。例によってDAISOに寄ったあと、アニメ・グッズの店でSuryaが友人への土産を漁る。マツモトキヨシでTax Freeの文字が目に留まり、中へ。パスポートを持っている外人には5,000円以上の買い物だとレジでTaxを引くという。化粧品が安いと言って物色。肌がきれいな褐色のSuryaがどういうわけか美白クリームを物色し、通訳を頼まれる。美白、保湿、しわ効果などを75才の老人が24才の女性に説明するハメになる。Baktygul15,000円分もの化粧品を買ってTax Freeを受けていた。

裏原宿を歩き、デザインフェスタに寄る。ちょっと休憩でもと思ったが、彼女らはどんどん進みたいようなので、大混雑の表参道へ。Softbankの店でBaktyguliPhoneのカバーを買いたいと探している間、ちょっと休憩。

都庁展望台へ。南展望台へ上がる。丁度富士山に夕日が沈むときに遭遇。西側の窓はカメラマンやうっとり眺める人でいっぱい。やがて陽が沈んで三角の富士のスカイラインが夕焼けの空をバックに映える。とてもロマンティックな雰囲気なのに「どうしてここには音楽が流れていないの?」と2人は不満顔。真ん中のの喫茶コーナーでコーヒーをご馳走になりながら、しばらく眺めて雑談。Baktygulは「このあとアメリカとキルギスタンを結ぶ事業を起こすつもり...」と抱負を語る。一方Suryaは今の会社が良いと保守的。でも2人とも、「この何十年かの世界の変化があったからこそ、私たちはこうして日本に居るのね...」と感慨深そうだ。

新宿への帰り道、NSビルに寄って中央アトリウムにある日本一の振り子時計を見せる。巨大なクリスマスツリーも聳えて、音楽も流れ、やっと季節感が出る。「夕食を一緒に...」と言われて、ベジタリアンの苦労もあるので、うどん屋を探す。トッピングを選べるところがあったので、「ここなら...」と入る。天ぷらのトッピングからSuryaはレンコンを選び、Baktygulはエビなどを選んで、食べ始める。ウドンのスープが足りないというので、足すが、「これはベジタリアンの味ではない」とSurya。「同じスープのはずだが...」と弁解するが、確かめようはない。それでも彼女はスープを含め全てを食べ尽くす。

その後、会社の同僚に和菓子をお土産にしたいというので、京王のデパ地下で気に入ったのを見つけてもらう。帰り道を確認し、大混雑のJR改札で別れを告げる。

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イギリス生まれで国籍は英国のインド人シーク教徒・男性Arvin33才)のガイドだ。予定通り9時に28階のロビーに行き、カウンターで確かめると「5分遅れる」との連絡があったという。少し待つとやがて黒いターバンを巻いて真黒なヒゲを蓄えた大男が現れた。やや肥満でゆっくり歩く。

今日の予定は浅草、スカイツリー、秋葉原、皇居など。まず混まないうちにスカイツリーへ行こうと、汐留から都営地下鉄に乗る。大門で乗り換えて、押上へ。ターバンを巻いたインド人は初めてなので、電車の中でいろいろ聞いてみる。

ターバンを巻くのはインド人の中の2%だけで北部のパンジャブ地方のシーク教徒だけとのこと。シーク教徒はエリート技術者や軍人が多いとのこと。彼もアメリカのIT会社の欧州・中東地区をロンドンで統括する責任者なので8か国語を話す。彼の曾祖父は第1次大戦でイギリス軍に入って戦い、祖父は第2次大戦でやはりイギリス軍で戦った将校で武勇伝があり、その功労をたたえる賞状の写真とともに、2人の肖像も誇らしげにスマホで見せてくれる。シーク教はヒンズー教と違って儀式は重んじない一神教で神との一体感をmeditateすること。金銭的道徳的に正直に生きること、富を共有することの3つを説くのだそうで、カースト制度は認めないのだそうだ。軍人が多いので、信仰を強制するイスラム教徒からヒンズー教徒を守るための警官のような働きもしていると彼は言う。「神から与えられた髪は切らない」ので当然長髪になり、それを束ねてターバンで覆うのが習慣化した。ヒゲも切らないので、始末に困り、彼はジェルで固めている。

押上に着いて地上に出ると真っ青な空に銀色のスカイツリーが突き立っている。私も何度かこのツリーを訪れたが、こんな青天は初めて。最初は遠慮して彼が上に行っている間、下で待つつもりでいたが、あまりにも素晴らしい快晴なので、彼の誘いに甘えて上に行くことにした。当日券も5分程度並べばOK。展望台上はまだ朝早い時間だが、相当の混雑。白い雪をかぶった富士山が見事。都庁展望台から見る富士より大きい。彼もAbsolutely stunning!と繰り返す。富士だけでなく、ビルや川、公園の緑など驚くほど輪郭がクッキリと見える。しばらくは窓側に貼り付いて写真。彼はとても社交的。小中学生の団体からハローと声がかかると「オハヨウ!」などと返す。8か国語を喋るだけあって、日本語もすぐに覚える。まわりを取り巻く日本人の人気者で、「すみません」「どういたしまして」「日本人は親切です」などとやっている。フォト・スポットで自分の写真も撮ってもらい1,300円払う。展望台のお土産店でも太陽電池で動く塔の模型を買う。

スカイツリー駅から浅草までは普通乗車券で特急にも乗れるので、1台やりすごして特急に乗ると「これは新幹線か?」と聞く。雷門では「人力車はインドにもある」と言いながら、車夫の誘いを断りながら進む。門の下で褐色の肌の女性を見つけ話しかける。「シーク教徒だ」と言う。彼が海外で会った初めてのシーク教徒だとのことで、親しげな会話。Pleaseと言う名の女性で近くのホテルに滞在中だとか。彼は独身だし、シーク教徒はシーク教徒としか結婚しないようで、お互いにまんざらでもなさそう。でも、「女性はターバンを巻いていないのに、どうしてシーク教徒だとわかったのか?」という質問には「何となく分かるものだよ」。「Supersensitiveだね!」には「30キロ離れていても分かるよ」と返された。

ここでも彼はいろいろな人に話しかける。レンタル和服の中国人若夫婦、オーストラリアから来た女性の2人連れ、アメリカ人の若いカプル、七五三の母娘。和服の老人...。彼自身も和服を着て歩いてみたいという。ビデオも撮る。私の説明もビデオに入れたいと撮るが、月並みなことしか言えず後悔。彼がおみくじを引いている様子もビデオに入れたいと私が撮るが、2度やってみて2度とも「凶」。「どうして俺には運が付かないのか?」と不満そうなのをなだめて、針金に結び付ける。

次に秋葉原。ウォッシュレットを初め、電気製品を中心に沢山の買い物リストを見せられたので、とにかくヨドバシ・アキバに行く。着くとまず遅いランチ。近くの喫茶店で多種のパンがならんだ棚からベジタリアンでもOKな野菜パン、クリームパンなどを取り、コーヒーで一息つく。外国だと「こういう場所でも大声でわめく人が必ず居るが、日本人は礼儀正しく、いつも静かだね」と感心しながら、あっという間に平らげる。

外国向けの商品を売っているヨドバシの3階に行き、細かい注文や製品の比較もするというので、能率のために英語が喋れる店員に来てもらう。電圧の違い、保証の範囲、似た製品の機能の比較、人気度など彼も細かく聞くので、店員も調べたり専門の人にまた聞きに行ったりで、とても時間がかかる。ウォッシュレットも結局電圧が微妙に合わず、ポータブル・タイプで妥協。頬のシェーバー、サンドイッチを三角に切るカッター、スマホの充電用予備バッテリー、カメラで自分をとる撮り棒などの他、ヘアドライアーも髪が長いので女性用で強力なもの、電気ブラシもモイスチャーを与えるものなど「神が与えた髪」を維持するのは大変なことがよく分かる。1万円以上の買い物だとパスポートを見せることで、免税扱いになり、8%引かれるが、免税扱いだと逆にポイントは付かない。しかしほとんどポイント分が引かれたことにはなる。こうしてポイント還元が実質的に外人にも適応された感じになって、以前あったポイントカードを作れない外人への「不公平」感が解消された感じだ。

外へ出ると暗くなりかかった街路で選挙カーが騒音を立てる。「静かでない日本もあるんだ...」と急いで、JRにのり、遅くなったので皇居訪問は諦めて、新橋からコンラッド・ホテルの見える場所まで来て、別れを告げる。

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