」
健 夫
もうかなり時間が経ったが、12月にGuam島へ行って、「太平洋戦争国立歴史館」(War
in the Pacific National Historical Museum)に寄ってきた。高層ホテルが並ぶタモン地区から車で15分くらいの便利なところだが訪れる日本人は少ない。しかし今のクリントン大統領もはじめてGuamを訪れたときに、まず第1に駆けつけたのがこの記念館だったという。1941年に日本が占領して3年も経たない1944年7月21日に55000人のアメリカ軍がこの歴史館のすぐ横のアサン海岸に上陸しようとして3日3晩死闘が続き、19000人いた日本兵のうち捕虜になった1000人程度を除いて約95%の人が戦死または自決したというから想像を絶する戦闘だったと思われる。そのアサン海岸の現在の平和な美しい姿(上の写真)から歴史館にある当時の同じ場所の様子(下の写真)はとても想像するのは難しい。 この付近のサンゴ礁は爆弾の破裂や上陸車両に踏みつけられ、無残に破壊されたようで、珊瑚の成長には長い年月が必要なことから、環境破壊も深刻だったようだ。
歴史館には日本軍関係の遺留品も数多く陳列されているが、どこから持ち込まれたのか、国民の「愛国心」を刺激して志願兵を募る大きな日本語のポスターが何枚も掛かっている。日本国内では戦後いち早く処分されたようなので、私も現物を見たのは初めてだった。
歴史館の入り口付近で終戦当日のアメリカの新聞を複製して売っていた。当時のトルーマン大統領がマッカーサー元帥を日本統治に当たらせた様子、原爆をグァムに運んでの帰りに日本の潜水艦に魚雷を打ち込まれて沈み、883人の死者を含んで1196人の死傷者を出した巡洋艦インデペンデンス、ラッパと紙ふぶきで戦勝を祝ってニューヨークの五番街を埋め尽くした大群衆、広島長崎の原爆の力に人類の全滅を予感した天皇が戦争終結を決心したいきさつ、などなど、1面の四分の一をPEACEの赤い巨大な文字が横切る。
すぐ近くのアガニア湾が万国旗のように色とりどりの熱帯魚と泳いでいる多くの日本人で賑わっているのと対照的に、この太平洋戦争歴史館のそばのアサン海岸は人っ子一人見当たらない。ここでの大悲劇を引き起こしたのは日本だったのに日本側から歴史の教訓を記憶に留めようとする試みはほとんどない。今ここで目にすることが出来るまとまったものでは、アメリカが残してくれた唯一の戦争の遺産のようだ。 |
庭の千草!
田無の庭にもまた春がきた。今度は以前に紹介したものより少し時期を早めたときの様子を取り込んだ。左の写真は何だか分かりますか。「名も知らぬ遠き島より流れ寄る....」といいたいところですが、その名も良く知られたサイパン島から浩が持ち込んだもの。椰子の実一つだけど、芽がついていたので鉢に入れて水をやり続け、今や人の背丈ほどにもなった。これからどうなるか、お楽しみ。右の花は前回実を紹介したカリンのはな。この可憐な花からは想像もつかないほど大きな実(毎年10個前後の黄色い実)はカリン酒に変る。
22年前、悠一郎君の誕生と同時に植樹した我が家のソメイヨシノは今や2階の屋根以上の高さになり、毎年道を歩く人の目にとまる。今年は隣に日本ソバ屋「さらしな」が出来て、その前にも花をつけた大枝が腕を伸ばしているので、店にくる人がよく声をかけていく。枝がないその太い幹の部分から直接、どういう訳か二輪の小さなさくらが花開いた。上の枝にあふれるように咲いている花には蜜を吸いにスズメが押しかけているがこの下の2輪は忘れられて安泰。
下の写真は「ミニたけのこ」ではなくて、えびねの芽であります。根っこが海老の背中みたいに見えるのでこの名前を付けられたみたいだけど、根っこより芽の方がおもしろい。やがて黄色い花がこの上で広がるのもそう遠いことではない
下の青い花はラベンダーにしては青すぎる(?) でも匂いは別にして色形から見るとムスカリはラベンダーよりきれいな気がする。なのにそれなりの扱いを受けていないのでは(?)
下のピンクの小さな花はあせび(馬酔木)。馬が食うと酔うというのでこんな字を当てているらしい。実際、葉の煎汁は殺虫剤や皮膚病の薬になるとか。おかげで我が家の庭もいまのところは虫がいない(?)
下の潅木は同僚の先生から頂いて植えたものだが、昔江戸時代に侘助(わびすけ)という人が持ち帰ったというので、侘助という花。今は花の時期ではないが白や赤のきれいな花が咲く。
やまぶき色と言えば黄金色ということになっているが、この下の写真の山吹は真っ白。これも頂きもので変り種。裏門から入った右手にひっそりと咲いている。か弱いように見えるけど、地面に突き刺しただけでどんどん広がる野性味のつよい品種。今でないと花がないのでこのページで紹介させていただく。その他につつじ、君子蘭、つばき、花水木から蘇鉄、フクジュソウの葉などはびこりはじめた。まさに春爛漫である。
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